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メリーさんの人形
あるマンションの13階に住む若い女性が部屋の整理をしていた。
押入れの奥を片付けていた彼女は、そこで古い人形を見つける。
それは彼女がまだ幼かったときに祖母から買ってもらった人形。
「メリーさん」と呼んで大事にしていた人形だ。
しかし、長い間その存在を忘れられていたメリーさんは埃にまみれ、
見る影もないほどに薄汚れてしまっている。
この人形をどうしようか・・・
しばらく悩んだ彼女は、
結局この汚い人形を他のゴミと一緒に捨てることにした。

その翌日のこと。
彼女の家に電話がかかってきた。
相手の声に聞き覚えはないが、
声からするとどうやら小さな女の子からのようだ。
「もしもし、私よ。メリーよ。何で私を捨てたの?
覚えてらっしゃい。必ずこの恨みを晴らすために、
あなたのもとに帰るから!」
それだけを一方的に告げると電話は切れた。
彼女はゾッとしたが、
誰かのいたずらだろうと考えて余り気にしないことにした。
ところが、そのわずか5分後。
またもや彼女の部屋に電話のベルが鳴り響く。
今度の電話もやはりあの“人形”を名乗る少女からであった。
「もしもし、今あなたのマンションの前まで来たわ。もうすぐ会えるわね」
それから5分たつと、また電話がかかってきた。
「もしもし、今あなたのマンションの2階よ。もうすぐ会えるわね」
それからも規則正しく5分おきに電話はかかってくる。
「もしもし、今あなたのマンションの3階よ」
「もしもし、今あなたのマンションの4階よ」
もう彼女は怖くて電話に出ることができなかったのだが、
“人形”はそれでもお構いなしに電話をかけ、
留守番電話に一方的にメッセージを残していった。
「もしもし、今あなたのマンションの10階よ」
「もしもし、今あなたのマンションの11階よ」
「もしもし、今あなたのマンションの12階よ」
ついに人形は彼女が住む部屋の、
すぐ下の階にまで迫ってきた。
彼女は逃げ出そうかと思った。
だが、もう遅すぎる。
再び電話のベルが鳴り、
留守番電話にこんなメッセージが吹きこまれたのだ。
「もしもし、今あなたの家の前よ。
ドアを開けて。居留守を使ったってダメよ。
そこにいるのは、ちゃーんとわかっているんだから」
彼女は心臓が止まりそうなほど驚き、
何もすることができずにただその場にうずくまり震えていた。
それから、また5分が過ぎる・・・
再び電話が鳴り、
あの人形の忌まわしい声が彼女にこう告げた。
「どうして開けてくれなかったの?でも、もういいわ。
こうしてあなたに会うことができたのだから。
わかる?わたしは今、あなたの後ろにいるのよ・・・」 [an error occurred while processing this directive]
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