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ありがとう



看護学生だった頃の話。

受け持った患者さんはずっと昔に家族と生き別れになった方で、 生活保護をうけながら1人で生活されている方でした。

面会にくる家族もなく、もう最終末期、今週一杯持つかとい状況でした。 ある日、検温に行き、何事もなく終え、部屋を出ようとすると 酸素マスクのしたで何か必死に言ってる。

何回聞いてもうまく 聞き取れず、繰り返すこと10回近く。よく聞くと、「水」 と言っていて、吸い飲みから水を口に入れました。

すると満足され、目を閉じました。それを見て部屋を後にしようとすると 消えてしまいそうな声で 「あぁ・・・・」と聞こえ、振り返ると手招きしています。

また何かを必死で言っていますが、聞き取れず、「ごめんなさい、もう一度おっしゃっていただけますか?」

と言うと、酸素マスクを外し、とぎれとぎれに、しかしその方にとって精一杯の声で

「あ・・・り・・・が・・・と・・・」

と私の手をとり、おっしゃいました。毎日悪くなっていく患者さんをみるのが辛くて、実習に行きたくなくなってしまったり、

正直その患者さんを見るのが恐くなっていたので、そんな自分に情けなくなり、思わず患者さんの横で泣いてしまいました。

その患者さん、翌々日の朝、私が病棟についてしばらくして お亡くなりになりました。なくなる瞬間にもご家族の方は誰もおらず、私と病棟スタッフが立ち会いました。

あの「ありがとう」は今まで聞いた「ありがとう」の中で、 最も重たいありがとうでした。私のほうがお礼を言いたい気持ちで一杯です。
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